津軽三味線の構造について。
こんにちは、かんちゃんです。
今回は本格的に津軽三味線の構造を見ていきましょう。
まずは全体像から説明します。
棹の材質は紅木(こうき) になります。
材質
材質に関しては一番良い物が紅木とされており、その他は紫檀(したん)ですとか花梨(かりん)が津軽三味線の主な材質になります。
そして紅木の中にもやはり良い物と悪い物があります。
最近は初心者の方が始めやすく低価格な津軽三味線が市場に出ています。
低価格なものはそのほとんどが海外からの輸入品になりますが、やはり日本で和楽器職人さんが丁寧に作った三味線とは違い、凄く質が落ちてしまいますね。
輸入され始めの津軽三味線はとにかく質が悪くて、最初から棹が曲がってる個体もあったそうです!
最初は曲がっていなくても年数が経つにつれ曲がってくる個体もあるそうですね。
しかし、最近はそれほど質が悪いわけではなくよっぽどでない限り楽器としての機能はキチンと果たすそうです。
こう書くと輸入品の津軽三味線がダメだみたいになるのですが、一概にそうでもないんですよ。
やはり津軽三味線を始めるにあたって最初の壁というか悩みは、津軽三味線自体が高価だってことですよね!!
そこで輸入品の津軽三味線が活躍するのです。
「本当に続けていけるのか」
「上手くなれるのか」
「先輩の方々と馴染めるかな」
などなどいろいろな不安がある中、最初から高価な津軽三味線を購入するのは本当に悩みますよね。
なので最初は安価な輸入品で試してみて、本当に自分が納得できるようになれば紅木の日本製の津軽三味線を購入するというのもありだと思います。
と言う事で、安価な輸入品の津軽三味線から日本製の高価な津軽三味線までいろいろと現在は選べます。
少し話がそれてしまいましたが、材質の話に戻ります。
紅木
そして紅木の特徴として木肌の模様が重要視されます。
「トチ」と呼ばれる模様なのですが、木肌に波状の模様が出てれば出てるほど高価になります。
このトチも派手に出てるトチと隠れてるトチがありますね。
派手に出てるトチはわかりやすいのですが、隠れてるトチが隠れトチと言い特定の光の角度でしか浮かんでこないトチになります。
この隠れトチの津軽三味線はとても固く非常に良い音が鳴ってくれます!
その代わり値段も高価ですよね。
その他、「古山」と言いまして人工的に乾燥させた紅木ではなく山で自然に何百年もかけて乾燥した風倒木があります。
この古山材はもう販売されてません。
原産国はインドなのですが、取り尽くされてて古山材が無くなってしまってるようなんです。
値段も半端でないくらい高価なのですが、希少価値もありますよね。
ちなみに私の津軽三味線も古山材ですよ( ̄ー ̄)ニヤリ
と言う事で紅木にもいろいろ、良い物悪い物と有ります。
紫檀
そして次に固い材が紫檀ですね。
模様は一律変わらない木肌ですね。
どちらかというと木肌は紅木に比べると粗いイメージですかね。
音質は紅木よりほんの少し落ちるくらいですかね、それでも紫檀の音色が好きで紫檀で津軽三味線を作る方も良くいます。
花梨
そして最後に花梨です。
木肌は意外とキメが細かくて、花梨独特の模様が出てる個体もあります。
この花梨トチが出ている個体も結構な値段しますね!
そして音質なのですが、材自体が柔らかいので音質も柔らかい音が出ます。
材料の違いとしてはこの3種類なのですが、花梨だからと言ってプロ奏者が演奏できないかっていうとそれは大きな間違いで紫檀だろうが花梨だろうが職人さんが材を吟味してキチンと制作すると値段は高くはなりますが良い音で鳴ってくれるのが津軽三味線なのです。
津軽三味線の各部
今度は大きく分けて各部の説明をします。
天神
まずは天神。
画像の反ってる部分が天神と呼ばれてます。
そしてその下の糸巻きが刺さってる部分を糸蔵といいます。
絃が巻き付いてる白い棒状の物が糸巻きです。
糸巻きは象牙・練り物・紅木・黒檀といろいろありますが、最近はアクリル材とか鹿の角とか変わった糸巻きを付けてる奏者がいますね。
太鼓
太鼓はほとんどが花梨でできていて、4枚の板を張り合わせて四角形になっています。
皮の下の方に挟まってる木のパーツは「駒」です。
絃を皮から浮かせるためのパーツですね。
高さはだいたい7~8mm前後です。
手前のカバーみたいなツヤツヤしたパーツは「胴掛け」というパーツです。
撥を持つ手を胴に掛けるため汗などで皮が剥がれないように皮を保護するパーツです。
後記
次は更に細かく説明していきたいと思います。
棹のパーツは5個から成り立っており、取り外せたり外せなかったりと面白い構造になっていたりします!
拝読していただきまして、ありがとうございます。
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。