津軽三味線の構造について。
こんにちは、かんちゃんです。
今回は津軽三味線の棹について説明していきましょう。
棹
津軽三味線の棹は前回も説明しましたが、圧倒的に紅木という材質の物が多いです。
長さや太さは、決まった定義がないのですがだいたいのサイズはどの津軽三味線も同じですね。
長さに関しては、あまりにも長さが変わるとツボの場所が変わってきてしまうので製作者のほうで暗黙の了解みたいなのがある様な気がしますね。
ちなみに長さは同じでも数ミリ単位でツボの位置は変わってきます。
短竿三味線
また高音用の短竿三味線ってのもあります。
短竿三味線ってのは伴奏時の唄い手さんのキーが高い場合に良く使われる三味線ですね。
読んで字のごとく棹が短い三味線です。
棹が短いと絃の長さも短くなるので自然と調弦も高音になりますよね。
普通の津軽三味線だと1尺6寸(E)程度が高音の限界なのですが。
短竿三味線だと1尺3寸(G)くらいまでは調弦できると思います。
特に子供達が唄う民謡はキーが高いので短竿三味線はとても便利です。
太さ
後は太さです。
この太さは製作者によっていろいろです。
特に価格の高い津軽三味線は演奏者が製作者に直接、要望を伝えて作る場合が多いので好みの問題ですね。
価格の高い津軽三味線の殆どは完璧なオーダーメイドになります。
なので演奏者の好みで太さが変わってきます。
棹のパーツ
津軽三味線の棹は5つに分けられています。
簡単に分解できるのが3つにわけることができます。
そして膠(にかわ)という昔ながらの接着剤で接続されてる箇所が2か所です。
この膠という接着剤は、ある程度の衝撃が加わると外れるような強度の接着剤です。
この様に上の天神の方が上竿。
真ん中の棒状の棹が中竿。
そして一番下の部分が下竿。
と言う事になります。
そしてこの2か所の接続部分を臍(ほぞ)と言います。
この臍も1本溝と2本溝があり高級な津軽三味線は2本溝になります。
また接続部分の先の角状の部分が刺さる所に金が入ってるのを金臍(きんほぞ)といいましてこちらも高級な津軽三味線のみについているパーツです。
また先ほど膠(にかわ)で付いてる部分があると言いましたが、まずは天神部分の上竿のサワリの付いてる部分です。
この赤丸の部分が膠で付いてる部分になります。
さらに大きく!
そして2か所目は下竿の中子(なかご)と言われる部分です。
この黄色枠の部分が中子です。
そして中子の赤丸の部分が膠で付いている部分になります。
さらに大きく。
では何故、簡単に外せる所と外せない箇所があるのか?
簡単に外せる接続部分は、コンパクトに持ち運びできるように分解してケースに入れるために外せるようになっています。
簡単に外せない接続部分は、どうしてそーなっているかというと。
万が一、三味線を落としたり。
万が一、三味線をぶつけたり。
などなど、何かしらの衝撃が津軽三味線に生じた場合に棹自体がヒビや折れが入らないように膠で付けた部分が外れて衝撃を和らげる効果をもたせてるんですよ。
津軽三味線は繊細な音も綺麗に出ます。
なので作りも意外と繊細なんですよね!!
臍(ほぞ)
次に臍(ほぞ)について説明します。
この臍は津軽三味線の音の伸びを左右される大切な部分です。
津軽三味線は太鼓の部分を撥で叩き音を出しますが、太鼓で出た音を棹を伝って天神から音が抜けてくと良く言われてるのです。
この時に棹の接続部分の臍がシッカリしていないと音が天神に抜けていかないようなのです。
なので臍は物凄く精密にできています!
これは2本溝の金臍になります。
ピタッと合わせて滑り込ませるように刺し合います。
最後に力いっぱい差し込むとカチッと音がしてハマります。
キチンとハマった津軽三味線の棹は、間近で見ても接合部分が分からないほど綺麗にハマります!
後記
次回は津軽三味線、棹の不思議?に入ります。
拝読していただきまして、ありがとうございます。
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。