津軽三味線の構造について。
こんにちは、かんちゃんです。
今回も津軽三味線の構造について説明していきます。
津軽三味線がどおして良い音が鳴るのか?
まずは皮の説明をします。
皮の種類
1 犬皮
2 合成皮
3 繊維系合成皮
この3種類ですね。
1犬皮
犬皮の全ては東南アジアからの輸入になります。
皮はナメシて乾燥させた状態で日本に輸入されます。
だいたい100枚が1ロットで最近は1ロットに1~2枚しか極上皮が入ってないらしいです。
和楽器屋さんに聞くと昔は1ロットに10枚は極上皮が入ってたそうです。
明らかに質が悪くなってるみたいですね。
質の悪い犬皮はそのほとんどが裏面の皮に使用されるようです。
ちなみに極上皮の張替えは通常の張替え価格の1.5倍くらいはします。
また津軽三味線の胴に貼り付ける時はコメから作った米粉で貼り付けるようです。
そしてこの接着剤は各和楽器店で色々らしく米粉と化学接着剤のハイブリットの様な物もあるようです。
私が張替えに出してる和楽器屋さんは100%米粉で接着してるそうです。
しかも100%新潟産のもち米だそうです!!!
貼り方にもよりますが、音質は犬皮が一番素晴らしいです。
2合成皮
合成皮は昔からある合成皮の事を言います。
こちらは練習用とか初心者用として絶対に破れない皮になります。
素材としては樹脂系の薄いシートで、4枚を重ねて貼り付けて1枚の皮にしてるそうです。
そしてこちらの合成皮の貼り付けはアロンアルファー系の接着剤で貼り付けるそうですね!
津軽三味線の胴がアロンアルファーでおかしくならないか心配ですよね!
しかし胴の花梨は花梨の材質自体が固いのでアロンアルファーは花梨には浸透していかず綺麗に剥がれるそうです。
音質は一律同じで、練習用だけなこともあり音質は最低ランクになります。
3繊維系合成皮
こちらの繊維系合成皮は前項で説明した合成皮とは全く異なります。
今現在、私が貼ってるのもこの繊維系合成皮です。
貼ってある表面を見ても繊維質がはっきりとわかります。
しかしこの繊維系合成皮の詳細はほとんど企業秘密らしいので全く素材や接着剤などは全く分からない状況ですね。
そしてこちらもほとんど破けることはございません。
私が使ってみて実感したのは、最初はかなり音質が固いです。
半年もしたらだいぶ柔らかい音質にはなりましたが、犬皮に比べるとかなり固い音質になります。
この音質に関しては個人差があるので何とも言えませんが私個人としては叩いた時のハジケ音が強くて本来の音が出てこないような感じの音質ではないでしょうか。
叩いた時の感じは凄く気持ちの良い感じなのですがね。
あと、撥の減りが異常に早いですね。
貼り方
津軽三味線はこの皮の貼り方で音質がガラッと変わります。
皮の貼り方で音質が変わるのは犬皮のみです。
合成皮と繊維系合成皮は、ほぼほぼ一律のテンションで貼るらしいのです。
これは繊維系合成皮です。
さらに大きく。
繊維質が良くわかりますよね。
犬皮はダキと呼ばれる部分をかなり引っ張りつけて貼るんですよ。
赤線で囲まれてるところがダキ部分です。
さらに大きく。
犬皮の毛穴が表面に沢山ありますよね。
赤線で囲まれた部分の毛穴は引き延ばされてるのが分かります。
それだけダキの部分を引っ張りつけて貼ってるんですよね。
これだけダキを引っ張ると、いわゆる「カン貼り」と言われる貼り方になります。
破れるか破れないかの瀬戸際が一番良い音が鳴るんですよ津軽三味線は!
そして「カン貼り」はサワリがとにかく効きます。
最後に津軽三味線の犬皮は食用の犬の皮になります。
東南アジアでは犬を食べる文化があるのです。
後記
次回は津軽三味線がどおして良い音が鳴るのか?の棹の不思議について説明して構造編の最後にします。
拝読していただきまして、ありがとうございます。
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。